日本の根管治療の現状1

毎週通って半年なんて当たり前

これが普通。しかし、世界的に見れば非常識。ケースルクト法からしても、そんな長期間の治療をしていたら、逆に感染の機会を与える為に雑菌が繁殖して非常に治りにくくなります。殆どの根管治療は3回以内で終了します。根尖孔が見つかりにくい場合でも5回程度が最高dす。

一回の治療は10分

日本の治療の多くは、根管内の消毒と、お薬の交換だけをずっと行っています。治るのを待っているのですが、この様な事をしても治らない歯もかなりあります。積極的に治しに行く治療が必要なのです。それがケースルクト法です。しかし1回の治療は1時間以上かかる場合が多いのです。根尖孔と言う歯の根の先の孔をしっかりと詰めるための精密な作業が必要だからです。

根管治療はお薬の交換ではほぼ治りません

治療したはずの歯で咬めない

治療直後は多少は咬むと違和感がありますが、それにしても咬めない。もう一回歯科医院に行っても、様子を見ましょうの一点張り。それでも咬めないので、他の歯科医院へ。そこでも被せ物を外して再治療を行うものの、挙句の果てに抜歯なんて事も多数。

外科治療だと言われる

この歯は抜歯、良くて歯根端切除と言われる方が多く来院されます。人の歯だと思って、良く言うわと思う場合も多々あります。多くの歯科医師が、申し訳ないですが、根管治療で歯根嚢胞が治るとは思っていない事が第一。あとは、健康保険の根管治療の診療報酬と、健康保険の外科処置を比べても余りにも差が有りすぎるのです。

それは根管治療を行う場合、既存の冠や土台を削って外す必要があります。例えば前歯の再根管治療。土台外しに1時間かかったとしても、健康保険では700円しか頂けません。それでいて、800万円もするマイクロスコープを覗いて消耗品を最低、4千円程度使う必要があります。更に、テクニックが非常に要ります。それは歯の中で回転器具を使いますので、下手をすると歯の中から外側に孔を開けかねないからです。下の表を見てもお分かりの通り、スタッフを使って診療をして2時間で340円しかプラスが出ません。当然ながら大赤字。ボランティア以下です。

かたや、外科治療の場合健康保険の歯根端切除をした場合、1時間あれば終了できます。しかも、根っこの先を切り取ってしまうので、根管治療より簡単です。その診療報酬は、24000円程度です。その差は歴然です。しかも難易度が低いなら外科になってしまうでしょう。

前歯の歯根嚢胞等に関しては、国は外科を推進しているとしか言いようがありません。この様な場合で非外科治療をする場合は保険外診療でお願いするしか無いのが現実なのです。

前歯の根尖病変の外科治療、非外科治療の診療報酬差
外科 歯内療法(根管治療)即根充が出来たとして
歯根端切除術(円) 20000 冠や土台の除去(円) 700
歯根嚢胞摘出術(円) 4000 感染根管処置(円) 1560
根管充填処置(円) 720
加圧根充加算(円) 1360
合計(円) 24000 合計(円) 4340
消耗品 0 消耗品 4000
小器具、除去用バー、仮歯が必要
差し引き 24000 340
所用時間(分) 60 所用時間(分) 120
仮歯を作る必要なし
仮歯を作る必要あり(無料)
治療の難易度 治療の難易度
1時間使って、2万4千円なら採算ライン上程度 2時間使って、340円を頂くなら、コンビニでバイトをした方がマシ。それでいて責任重大

5割程度は術後のレントゲン画像に異常がある

日本での根管治療の予後の論文はあまりありません。東京医科歯科大学の須田らは同大学のむし歯外来に2005年9月から2006年12月の間に来院された根管治療を受けた患者さんのレントゲンを調査。すると歯の種類には差があるものの、50%以上に根尖部に透過像が認められたそうだ。透過像の存在が直ぐに異常とは言いにくいですが、それにしても凄い高頻度だと思われます。
なぜこうなのでしょうか?それは次に。

参考
わが国における歯内治療の現状と課題(東京医科歯科大学:須田論文 平成23年)

 

タイトルとURLをコピーしました