歯髄壊死 口蓋根の根尖が二股

上あご奥歯

30代男性 左上の歯の違和感

歯の中にある組織である歯髄(通称:神経)にまで細菌感染が及ぶと、痛みがでます。これは多くの場合では虫歯である事が多いです。しかし、痛くない場合もあります。多少の違和感で歯髄が壊死してしまう場合があるのです。通常この歯髄が壊死をする場合は大抵、1か月程度で死んで今います。しかし極まれに1年程度かかって壊死をしたと考えられる症例もあります。

この症例も、いつの間にか歯髄が壊死してしまったケースだと思われます。歯髄が壊死をしてしまうと、その際に痛くなくても、最近が歯髄の中に充満してしまうと、根の先に開いている根尖孔と言う孔から細菌が漏洩して周囲に炎症を起こしてまいります。つまり歯の中ではなく、今度は歯の周囲に炎症を起こしてしまいます。そうなりますと、咬んで痛いと言う明確な訴えになります。

本症例はケースルクト法により問題なく治癒しました。特筆するのは、口蓋根と言う内側の根の先が二股に分かれていた事が、根の中に充填をしてみてわかりました。これは熱と薬剤で軟化した充填材を入れるケースルクト法だから、充填が上手くいったのだと考えられます。日本で多く行われている側方加圧充填の場合、固形物を糊の様なもので充填しますので、この様な二股に分かれている様な根管はほぼ、緊密に充填ができません。よって治らない場合が多いのです。

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