ケースルクト法(再根管治療)

K.SRCT法による感染根管処置の予後

根管治療を行う場合大きく分けて2つの場合が有ります。

  1. 抜髄治療 歯髄は炎症を起こしているものの、壊死まっしぐらの場合に歯髄を取り除く治療方法。歯科医師の手が一度も入っていないケース
  2. 感染根管治療 歯髄が完全に壊死をしてしまっているが、歯科医師の手が一度も入っていないケースと、再治療のケースに大別される。

今回は、K.SRCT法による感染根管処置についての予後を説明します。症例の殆どが、再治療のケースです。

2010年、小机歯科移転を機にCTを導入しました。その時から11年間の抜髄症例の統計です。最初のレントゲンは殆どの症例でありますが、数年後の写真となると、なかなか有りません。なぜならば、研究機関ではないのでその部分を数年後に撮影する訳には行かないからです。多くは、オルソパントモグラフやCTに偶然に映り込んでいる画像で判定しました。

総症例数 167歯

症例数 平均経過年数 改善率 不変率 悪化率 改善度
単根 74 3Y8M 98.6 0 1.4 1.93
小臼歯 35 4Y2M 91.4 0 8.6 1.49
大臼歯 58 4Y4M 93.1 0 6.9 1.8
平均 94.4 0.0 5.6 1.7

治療前の評価

評価1:術後に明らかに根尖病変を認める症例と抜歯された症例
評価2:術後に小さい根尖病変を認める症例
評価3:術後に根尖病変を認めないが瘢痕または、歯根膜腔の軽度拡大を認める症例

評価方法

術前の評価から、数年後に同部位が映ったレントゲンから再評価。評点がどう動いたかを数字で評価 例えば評価3が評価1になれば、+2として評価

術前の評価時に根尖部に変化を認めなかった歯髄壊死の様な症例は、術後も全く変化がなく結果良好の場合は評価段階を1上げて評価

結果

94.4%が治癒。

しかし、選定症例としては、ケースルクト法として根尖まだしっかりと根管充填が規定通りできている症例のみを選んでいます。又、治療対象とした歯は厳選して治療に当たっています。つまりダメ元の様な症例はほぼ含まれていません。又、治療後に転院され抜歯となったケースも考えられますので、実際にはこの数字よりは低いと思えます。

日本の健康保険の根管治療の診療報酬は世界最貧国以下ですので、このレベルでの治療はなかなか健康保険では難しいのが現状です。ケースルクト法は自費診療です。

抜髄(一度も根管治療をしていない歯の根の治療)はこちら

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