症例4 大きな歯根嚢胞

レントゲンで指摘された

40代女性 千葉県より来院

右下の鼻の付け根を押すと痛いために歯科医院受診。口腔外科を紹介され歯根単切除または抜歯と言われたために来院。ケースルクト法にて根管治療を行った。来院回数2回

1年半後にその歯が欠けた事により来院。CTを撮影して根尖病変がどうなったかを見た。その結果骨が形成されているのが確認された。

この様なケースは通常、歯根端切除と言う手術が行われます。しかし嚢胞(のうほう)と思われる部分も一緒にソウハする必要があります。よって歯根は半分程度切り取られる事になります。上顎犬歯はヒトの歯の中で一番長い歯です。長いのはそれなりに理由があるからです。それは歯ぎしり等の顎を横に振る動きに対してこの犬歯が上下で当たる事により、奥歯に負担がかかる事を防ぐからです。よって、根が切り取られて短くなった犬歯は、本来の目的を達成できる事ができないので、早期に動揺が起こり抜歯をせざるを得なくなる可能性もあります。

歯根嚢胞(しこんのうほう)は一般的には根管治療では治らないとされています。しかし、この様なケースを見ると治ると言えるのではないかと思います。ただ、ケースルクト法で根管治療を行う前に病理組織検査はしていないので、治るとは言い切れないのが現状でしょう。

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