歯根嚢胞(しこんのうほう)

歯根嚢胞(しこんのうほう)とは?

歯の歯髄(通称:神経)を取った歯に生じる嚢胞と言われるものです。膿の袋と言う歯科医師も多いですが、実際は本来は骨が無ければならない部分が柔らかい組織に置換されているのが実態です。歯科医院を受診した際にレントゲンで偶然発見される場合から、腫れてきて気が付く場合まで様々です。よって症状が有る場合もありますし、無い場合も有ります。

レントゲンでどう見えるか

根の先やその周辺に黒い透過像として見えます。つまり本来ならば骨が有るはずですので、レントゲンが透過しにくいので灰色に見えるはずなのですが、骨が柔らかい組織に置換してしまっていますので、レントゲンが透過しますので、黒っぽく見えます。

どの様な経過をたどるか

歯根嚢胞かどうかは、実際はその組織を外科的に取って、顕微鏡で病理組織検査をしてみないと診断はつきません。しかし、根の先の透過像に関しては、日本では根管治療を受けた半数程度に見られると言う論文が有ります。よって、直ぐに治療をしなければならない事は有りません。よって実際には、腫れて痛いような場合や違和感がある場合は治療が必要と思われます。又、レントゲンで経過観察をしていて、大きくなってくるような場合は治療対象になります。しかし、根の先の小さい黒い影の場合、瘢痕(かさぶた)状の組織で有る場合もあります。この様な場合は、10年経過をしてもほぼ同じ場合が多いです。よって経過観察で良いでしょう。

歯根嚢胞の治療

大きい場合は歯根端切除と言う外科処置や抜歯と言われる場合が多いです。しかし、ケースルクト法で治療をした場合、それらの処置をしないで治るケースが多々あります。ただし、医療に100%は有り得ません。治らない場合は抜歯の可能性が高くなります。ケースルクトを行ってから歯根端切除を行っても治らない場合が多いからです。多くの場合は歯根面に生じたヒビが原因となっているからです。

ケースルクト法で治療出来ない場合

  1. かなり動く歯
  2. 歯の根が折れていたり、ヒビが入っている場合
  3. 根の治療は成功しても、加重をかけると割れる可能性が高い歯
  4. 奥歯の場合、顎関節症等で口が大きく開かない方
  5. 根の中の奥で治療器具が折れて残っている場合
  6. グラスファイバーの土台を深く入れて有る歯の場合
  7. 被せ物を外せない場合
  8. 良性腫瘍がレントゲン透過像の原因で有る場合
  9. セメント質剥離によるレントゲン透過像の場合
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